むし歯は感染症です。と、つい最近まで患者さんに説明してきました。口腔内のミュータンス菌が歯を溶かす病気だとずっと思っていましたが、どうもそうではないようなのです。ミュータンス菌だけが虫歯の原因菌ではない。歯を溶かす酸の産生に関わる菌はそのほかにもたくさんあり、口腔内の細菌叢の変化によりむし歯はできるというのが新しい理解となりつつあります。
虫歯は Co(むし歯になりかけ)からC1(エナメル質に限局)、C2(象牙質に到達)、C3(神経まで到達)、C4(歯冠崩壊)までです。 C2までだと比較的簡単な治療で終わることができます。
むし歯が大きくなって神経まで到達すると激しい痛みが出て、神経を除去する治療が必要になる場合があります。神経をとる治療は回数がかかります。神経をとって根管をきれいにしてしっかり根充(神経がもともとあったところに防腐剤をつめる)しないと、あとからまた痛みがでます。そのため時間も回数もかかり、術者、患者さんともに根気のいる治療になります。